小説家は眠らない

くだらない大学生男子がオタクチックなことをうだうだ書いていく、予定。

善でも!悪でも! 最後まで貫き通せた信念に 偽りなどは何一つない!!「武装錬金」

今から十年ほど前の漫画ですが、個人的にはジャンプの中で一番少年漫画らしい王道を突っ走った作品だと思います。

 

 

武装錬金 (1) (ジャンプ・コミックス)

武装錬金 (1) (ジャンプ・コミックス)

 

 あらすじ

私立銀成学園高校の2年生武藤カズキは、ある日の夜、廃工場で巨大な怪物に襲われていた少女を助けようとして命を落としてしまう。しかし、その少女津村斗貴子錬金術研究の成果である「核鉄」を埋め込まれることによって命を救われる。同時に、唯一無二の武装錬金ランスの力を手に入れた武藤カズキは、人を喰らう怪物ホムンクルスの存在を知り、戦いの世界に足を踏み込むことになる。

 

 

 

るろうに剣心」の作者である和月伸宏先生の漫画です。全十巻と短めではありますが、この短さだからこそいい感じにまとまっているのではないかと思います。少年漫画とはこうあるべきとさえ言えるような、少年漫画の見本とも言える作品。

 

感想

るろうに剣心」は映画化したのでかなり有名になりましたが、こちらも人気作品だと思います。アニメ化もしましたし、原作に忠実な展開、気分が燃え上がるOPはカラオケで未だに歌われますし。

 

内容としてはすごく単純です。主人公「武藤カズキ」は謎の少女「津村斗貴子」によって「核鉄」という不思議な物を埋め込まれたことで命を救われ、化け物達と戦いに身を投じていく。実に王道。謎の少女に命と力を与えられるというストーリー展開は、誰もが一度は想像したことがあるでしょう。

 

少年漫画というのはこれくらい単純な方がとっつきやすいものです。あまり難しいストーリーであると、腰を据えて読む必要がありますから。何気なしに読むにはあまり難しいことを考えない漫画のほうが丁度いい。

 

そういったわけでこの漫画は誰にでも読みやすい漫画だと思うのですが、この漫画の魅力はそれではありません。この漫画の魅力、それは主人公がカッコイイということです。

 

主人公「武藤カズキ

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主人公であるカズキはもちろん主人公である以上、強いことは強い。主人公補正もある。ですが、彼がかっこいいのはそれだけではありません。

 

このカズキという少年は誰よりも怖がりで、なおかつ痛いことは嫌い。けれど誰かを守るためなら歯を食いしばって立ち上がる。そういうタイプの主人公です。誰かのためなら必ず強大な敵に立ち向かうし、素直な気持ちでそれに向かう。

 

守るために動いたけれど、守ることに失敗してしまった。カズキは悪くないけれど、それでは自分の気が済まない。そういうふうに誰かを思いやれるのがこの主人公の魅力です。あまり見るタイプの主人公ではないかもしれません。

 

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本当に優しい主人公というのはこのカズキのような人間だと私は思います。怖いことや痛いことが嫌いなくせに、しかも内心ではそれをずっと思っているのに、絶対に立ち上がる。加えて時には敵さえも救おうとする。そういう強さをカズキは持っています。

 

これはカズキの誰かを殺したくないからというだけでなく、拾える命は全部拾うという信念からきています。命を救われたからこそ多くの人をみんなを救いたい。そういった考えを持つ。偽善者とも取れるこの信念は、カズキ自身それをよく知っています。けれど偽善者と呼ばれてもこの信念を曲げない強さがカズキにはある。

 

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主人公がカッコイイというのは漫画を読む上で重要な要素だと思います。その点このカズキはとてもカッコイイ。誰かのためには戦う。痛いのも苦しいのも我慢する。けれど、すぐには割り切れず、一生懸命悩みながら、それでも前に進んでいく。

 

泥臭くはありますが、だからこそ魅力に満ちた主人公と言えます。強くもあり、弱くもある。そういうキャラだから応援したくなる。

 

物語の終盤、カズキはこんなことを心中で思います。

 

俺がみんなを守るから、誰か俺を守ってくれ……

 

ヒーローならではの苦悩。しかもいつも笑顔を絶やさない彼が漏らした言葉だからこそ、その重みが感じられます。ほかにも彼だからこそ味わう苦悩や辛さがあります。その一つ一つに立ち向かうからこそカズキがカッコよく見えるのでしょう。

 

少年漫画らしい漫画を読みたい方にはぜひともおすすめしたい漫画です。きちんと収まった形になっていますし、ラストはハッピーエンド。読んだ後はスッキリとした気持ちで終わりを迎えられると思いますよ。