小説家は眠らない

くだらない大学生男子がオタクチックなことをうだうだ書いていく、予定。

首置いてけ!なあ!大将首だ!!大将首だろう!?「ドリフターズ」

派手なアクションと、緻密に考え抜かれたストーリー構成が素晴らしい。どいつもこいつもイカレ野郎!(褒め言葉

 

 

 

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

 

 あらすじ

西暦1600年関ヶ原の戦いの最中、謎の存在『紫』の手により島津の退き口から、エルフオークのいる異世界に召喚された島津豊久は、同様に流れ付いた織田信長那須与一と出会う。その地で「漂流者(ドリフターズ」と呼ばれる豊久らは、成り行きと武士としての本能から、人間が支配するオルテ帝国に虐げられるエルフの村を解放、その勢いのまま「国奪り」を開始する。

 

 

 

HELLSING」で有名な平野耕太先生の渾身の作品。荒々しくも突き抜けた作画と、胸が踊る展開、心をくすぐる台詞が読者を魅了します。一つ難点があるとすれば先生の筆が遅いことですが、「HELLSING」は完結に十年かかってるんだから気長に待てばいいさ。

 

感想

 かなり有名な作品で、近々アニメ化される話も出ていますが、私は一巻発刊当時から追っていたのでかなり期待している作漫画です。あまり早くにアニメ化するのは前作の失敗を彷彿させるので止めて欲しいですが……。

 

物語は関ヶ原の合戦の退き口にて不思議な場所に飛ばされた「島津豊久」が、同じく本能寺の変から飛ばされてきた「織田信長」、四百年前から来訪してきた「那須与一」と出会い、異世界の国を盗ることを目論むお話です。正直あらすじからは内容の面白さが伝わりにくくあるように思うので、あらすじはこの辺りで止めましょう。

 

この物語は基本的に史実上の有名人を漫画に登場させています。というか、そもそもこの漫画は史実で死んだかどうか不明の人間と、歴史上で非業な死を遂げた人物が争うお話です。そういうわけで歴史好きはこの漫画をより楽しめるかも。

 

そして主人公である「島津豊久」も例に漏れず史実上の人物ではありますが……。

 

 

この漫画が連載される前までは超がつくほどドマイナーな人物だったりします。

 

「島津豊久」別名は妖怪首置いてけ

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今でこそドリフターズが有名になったおかげで広く認知されるようになった人物ですが、平野耕太先生が関ヶ原に取材に行った際、現地の人は誰もその存在を知りませんでした。まあ島津家の一族はほかが凄すぎるというのもあるとは思いますが……。

 

ちなみに漫画ではこの豊久、三十歳。見た目かなり若いですけど、まあこれ漫画ですし。

 

物語はこの豊久が信長、与一と共に国を盗るため戦いに身を投じていくのが大まかな話の筋ですが、この漫画の戦闘描写は圧巻の一言。

 

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平野耕太先生は前作「HELLSING」でもその圧倒的な画力を遺憾なく発揮し、荒々しく爽快な絵で迫力のある漫画を描いていましたが、その画力は今作でも健在。戦闘シーンは一つ一つのコマが躍動感に満ちて、読者をワクワクさせます。

 

癖の強い絵ですが、一度気に入ってしまえば吸い込まれるような魅力を持つ絵だと言えるでしょう。事実、私は何度この漫画を見返しても胸が高鳴りますし、続きが気になって気になってしょうがない。

 

加えて台詞の言い回しが尖っていて、実に心地よい。厨二病と言われてしまえばそれまでかもしれません。しかし厨二病で別にいいとさえ思います。

 

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こういう台詞を考えられるセンスが心底羨ましい。「応報せよと言っている!!」なんて、なかなか出てこないでしょう。

 

こういった台詞は大好物です。絵の雰囲気にピタリとマッチしていて、大きく印象に残りますね。鋭い言葉に大ゴマは、狙って描いていると分かっていても心に響くのですから、してやられたという気持ちになります。それが気持ちいいのは否定しませんけど。

 

主人公の豊久はずば抜けて台詞が素敵です。いくつか例を挙げましょう。

 

貴様の首はいらん。命だけ置いてけ!!

 

ここがどこでどうなっているか何も知らん。これが夢か現実(うつつ)か何もわからん!!

だったら俺は、突っ走る事しか知らん!!

 

敵は最強徳川井伊の赤構え。相手にとって不足なし。

命捨てがまるは、今ぞ!!

 

もう超カッコイイ。それしか言葉が見つからない。しかもこの豊久だけでなく、出てくる奴ら皆全員カッコイイのですから、ページをめくればめくるほど高揚感に包まれます。

 

対峙する敵は強大。歴史上の誰しもが知っている有名人物。ずらりと並ぶ軍勢は絶望感さえ漂い、どうやって攻略するのか見当すらつきません。これ本当に勝てるのかよ……と不安になるくらい。

 

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敵も味方も一癖も二癖もある奴らばかりですから、先の展開が全く予想できません。だからこそ読むのがとても楽しいのです。私は常々漫画とは登場人物がよくなければならないと思っていますが、この漫画は登場人物が全て優れていますから文句なんて出てきませんね。

 

このように本当にオススメな作品なのですが、残念なことにこの漫画、進むのが遅い。漫画の単行本なんて年一回のペースです。なので続きが気になる方は非常にもどかしい気分になるかも。

 

それを差し引けばとても面白い漫画です。まだ四巻しか出ていませんから、揃えるなら今のうちですよ。

 

あ、あとこの漫画、二巻は本当に糞漫画になります。びっくりするくらい。めちゃくちゃ面白いですけど、糞漫画なのは間違いないです。

 

この意味は読まないと分からないですね。読んだらああ、そういうことかと理解してもらえるかと。