小説家は眠らない

くだらない大学生男子がオタクチックなことをうだうだ書いていく、予定。

突き抜ける戦闘。技を極めた忍者達。「バジリスク」

短いながらも、迫力ある戦闘と次々に繰り広げられる展開に惹きつけられる作品。日本版ロミオとジュリエットと言えばそうかもしれません。

 

 

バジリスク~甲賀忍法帖~(1) (ヤンマガKCスペシャル)

バジリスク~甲賀忍法帖~(1) (ヤンマガKCスペシャル)

 

 あらすじ

甲賀卍谷と伊賀鍔隠れに潜む一族は、ともに服部半蔵に率いられる忍者群同士でありながら、源平の昔より数百年、互いに憎悪を抱く不倶戴天の敵同士でもあった。服部の統制下、両門争闘の禁制によりかろうじて和平を保っていた。そのような中、甲賀組の首領甲賀弾正の孫弦之介と伊賀組の頭目お幻の孫娘は恋仲にあり、両家の縁組がすめば長きに亘った甲賀と伊賀の確執も解けるかと思われた。

そんな事情を知ってか知らずか、慶長19年4月末両首領駿府城に呼び出した徳川家康と半蔵(二代目)が甲賀・伊賀の忍びに与えた使命は実に戦慄すべきものであった。

 

 

 

全五巻という短さですが、濃厚な展開で短さが全く気になりません。むしろこのくらいの長さで丁度良いと思えるほど。原作は山田風太郎先生の小説「甲賀忍法帖」で、作画はせがわまさき先生。美麗な画力は必見です。

 

感想

というわけで今回はバジリスクについて書いていきたいと思います。元々は山田風太郎先生の小説であり、それを漫画で再現したのがこの「バジリスク」になります。アニメやパチスロで広く知れ渡り、特にパチスロが趣味の方は作品を知らないけれど、台を打ったことはあるという方は多いのではないでしょうか。

 

ですからこの作品に触れる入り口はなかなか広いと思います。小説、漫画、アニメ、パチスロと、多様にあるので、自分が入りやすいものから入っていただくのが一番かと。一応映画もありましたが、あれはもはや別作品ですし、特に触れません。いや、好きな人は好きなんでしょうけど。

 

とはいえ私はやはり漫画から入ることをおすすめします。というのも、漫画は短くまとまって、かつ一番分かりやすいからです。すぐに読めて面白いというのは大きな魅力ではないでしょうか。

 

ざっくり説明すると、この漫画は昔から仲が悪かった伊賀と甲賀が、主人公であり甲賀の次期首領甲賀弦之介」と伊賀の次期頭目「朧」の縁談によって確執が解かれるかもしれないという感じの状態から始まります。

 

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このキリッとした顔の男が弦之介。その隣で頬を少し染めているのが朧です。二人はいい感じの恋仲であり、上手く進めば縁談の話が進む関係でした。これによって長年の恨みが消えると思われたのですが……。

 

三代将軍を決めるために徳川の内部は長子竹千代派、次子国千代派に別れ、骨肉の争いを繰り広げていました。内部の争いは熾烈を極め、このままでは破滅の道を辿るのは必至。しかし事態を理によって納めるのも、情によって解決するのも時既に遅し。

 

ならば武家の家らしく剣の十番勝負で事を決するのみ。しかしそのようなことで徳川の侍を死なせたくもなく。

 

ゆえに、忍者。失ってもさほど痛くもなく、四百年の怨敵同士が戦うのに理由は必要なし。

 

そういった思惑のもと、甲賀と伊賀は命がけの十本勝負に身を投じていくことになるのです。

 

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そういうわけで忍者同士が忍術を用いて戦っていくわけですが、これが最高に面白い。各忍者は一人ひとり一芸を極めており、その使い方にはあっと驚かされます。どの忍者も一癖も二癖もある者ばかりで、読んでいて飽きません。

 

単純な能力の持ち主であればあるほど、その使い方は応用が利きます。彼らはどこまでいっても忍者なわけですから、だまし討ちが最も得意。どんなに優れた能力を持っていたとしても、だまし討ちで負けてしまえば呆気なく死んでしまいます。

 

これがこの漫画の一番面白いところですね。一見戦闘にあまり向いていない能力が、実はかなり有効な能力として扱われるのは小気味良いです。普通に戦闘していたらまず勝てない相手でも、騙すことで簡単に殺してみせる。そういう展開が多々あります。

 

加えてせがわまさき先生の描写が丁寧で細かい。

 

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一見すると濃い絵柄ではあるのですが、この絵柄だからこそ作品の魅力が増します。戦闘描写に爽快感があり、一つ一つの描写が読者を楽しませてくれますね。特に殺しの場面は圧巻の一言。

 

そもそもこのバジリスクという漫画は登場人物が皆魅力的なキャラクターばかりです。中でも女性陣は色気たっぷり、かつ殺す気満々なのでとても映える。

 

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エロいんだけど、強い。というかこの漫画はエッチな女性ほど怖くて強いです。アダルトな女性が強いのは男のロマンさえ感じますが、くノ一ということを考えると当たり前かもしれません。女性的な魅力がある忍者のほうが有利でしょうね。

 

そういうわけで登場人物、展開、戦闘シーン、どれを取っても素晴らしい漫画です。興味が出た方はぜひ一度読んでみてください。漫画を読んだ後はアニメを見てみるのもいいかもしれません。本当に面白い作品です。

 

最後の終わり方に、しんみりとした感じで読み終えることができますよ。